印鑑の書体のひとつとしての万畳篆
当店の書体に万畳篆というのがありますが、
この書体は印相体の欠点を解消するとともに
書体の印相体としての視覚的長所を生かすために
創作した書体です。
とはいっても、書体を創作することは
そう簡単なことではありません。
シナ(中国)の歴史の中で印章の中に九畳篆というものがあり
それを参考にしてあります。日本では、お寺で使用される
印、印文=仏法僧法に九畳篆の影響があります。
少し気が重たくなる書体のひとつ

画像は、注文時必ず行う風景の一つです。
最初は半紙に鉛筆で試行錯誤して
次に、実際の印影を想定してイメージを作成します。
それを作業場から見えるところに添付して
時々眺めます。修正箇所が見つかれば
また修正して、
同じように掲げて見る
この繰り返しをしながら、煮詰めていく
イメージが完成するまでの試行錯誤は意外と大変な
作業になります。
創作は大変な作業ですが
万畳篆に限らず、和文篆などの書体は
手本がなく、自力の感性でまとめて行くしかありません。
何日も頭の中でどうしたらいいのか
考えることも以前はありましたが、
最近は思考回路も慣れて少しは楽です。
いずれにしても、簡単に妥協しない姿勢は
次につなげて行くために大切であると考えます。