■柘植(柘・黄楊)
趣味の印鑑から実用印まで使われる天然木…
代表格の国内産本柘植
ツゲは、ツゲ科ツゲ属の常緑小喬木。関東~九州に分布する。 材は、黄褐色で極めて緻密なため印材のほか版木、将棋の駒、櫛などに利用される。生産地は、主に九州で薩摩柘植(さつまつげ)と呼ばれる。また東京都御蔵島産は、厳しい気象条件で育つため年輪にうねりがあり珍重されている。
■牛角黒(黒水牛)
牛角黒(うしのつのくろ)『旧名=黒水牛』
【東南アジア産のスイギュウの角】
スイギュウ(水牛)偶蹄目ウシ科の大型哺乳類。アフリカスイギュウ、アジアスイギュウ、
インドスイギュウと区別されることもあるが、
スイギュウは、アジア地域に世界の95%が生息している。
アジアでは、主に家畜として飼育されている。印材としては、弾力性に優れ硬い。
普通は、黒く染色加工されている。
【最近の供給状況】
産地における近代化により産出量の
減少と中国の業者参入による買い付け価格の高騰が危惧さ
れるなか、供給先が大きく変わり現在では インド産が大
半を占めている。
■牛角色(うしのつのいろ)
牛角色(うしのつのいろ)『旧名=オランダ水牛』
【オーストラリア産、肉牛の角】
牛角色(うしのつのいろ)。旧名=オランダ水牛。オーストラリア産の肉牛の角を使っていますが、現在は、革の商品価値を維持するため子牛のときに角は切ってしまうため、 代替としてアフリカや南アメリカ産の角を使用しています。 印材としては、スイギュウ同様、弾力性に 優れ硬く、黒と白の混ざった独特のマーブル模様がある。 【最近の供給状況】 旧名オランダ水牛は、オーストラリ ア産で、現在は輸入されていません。 牛革製品の供給に あたり、仔牛のときに角を切り落としてしまうのが原因 で、 現在では他の角を南米やアフリカから代替え品とし て輸入している。
■牛角白(うしのつのしろ)
牛角白(うしのつのしろ)『旧名=オランダ水牛純白』【オーストラリア産、肉牛の角】
牛角白(うしのつのしろ)。 旧名=オランダ水牛純白。オーストラリア産の肉牛の角を使っていますが、 現在は、革の商品価値を維持するため子牛のときに角は切ってしまうことがあり、 代替としてアフリカや南アメリカ産の角を使用しています。 印材としては、スイギュウ同様、弾力性に優れ硬く、 牛角色のなかで黒や茶の色のない ものを牛角白(純白)とよんでいます。 また、牛角白の 中で、稀に乳白色で、スジがなく透明感のある角があり、 象牙と変わらぬ『黄(おう)』と呼ばれる高価なものが あります。
■シープホーン
シープホーン(羊の角)
【べっ甲の代替品。色艶が似ている中国産】
シープホーンは、べっ甲に良く似ている材料です。べっ甲はタイマイ(海亀)から作られるが、ワシントン条約により現在は、捕獲が禁止され新たに印材にするのは、稀少で高価であるため、 シープホーンは、べっ甲の代替品としても最適といえます。透明感がありまさにべっ甲色をしている 硬さはそこそこあるもののもろさもあるた め手彫りの場合は、慎重で高い技術が求められる。
■象牙
象牙【印鑑の高級素材としての象牙】
ゾウ(象)とは、哺乳綱ゾウ目(長鼻目)に属する動物の総称で、象牙(ぞうげ)は、 ゾウの長大に発達した切歯(門歯)である。適度に吸湿性があり手になじみやすく、 材質が硬すぎず(他の角などに比べれば硬い)・軟らかすぎず加工性も金属や水晶などより 優れている。朱肉の馴染みもきわめてよく印鑑の王様といえる材料です。 印材としてのランクがあります。安価なものは表面近くのスジが入っているもので、 先端に行くほど、中心に位置するほど貴重なものとされる。 通常は木材と同じく縦目に加工されるが、側面から見て年輪のように特徴のある文様の横目印材は、 木材と同じように強度は縦目のものには劣り、手彫りの場合は、慎重で高い技術が求め られる。 また、生息している地域の環境で、堅いものを 食べている象の牙は、硬くハード材と呼ばれ、 軟らかい 草木を食べている象の牙は、多少硬さが劣ることから、 ソフト材と呼ばれる。現在象牙は、絶滅のおそれのある 野生動物の種の国際取引に関する条約いわゆるワシント ン条約 により取り引きが厳しく制限されています。平成 21年に一時解禁により少量の輸入がありました。 また、 代替品としてロシアの永久凍土より掘り出されたマンモス の牙が利用されています。 象牙に比べ見た目以上に軟らかい。
■マッコウの歯
マッコウの歯
【マッコウ鯨(抹香鯨)史上最大の肉食動物】
マッコウクジラは、歯クジラ類の中で最も大きく歯のある動物では、世界最大で、 またその質量から現在知られているかぎりで史上最大の肉食動物であるといわれています。 象牙同様に捕獲が禁止されているためとても高価な材料です。 印材としては、硬さがありますが、象牙よ り彫り易いところもあります。
■スネークウッド
スネークウッド 【最高級ステッキの材料に使用されるブラジル産天然木】
原産はブラジルで、幹の太さは、直径20センチ位までしか太くならず ステッキの中でも最も重量があります。(木材であるが水に沈む)材質は非常に硬く、加工が困難であるが、磨くと蛇のウロコのような模様が現れるためにこの名がつきますた。 ステッキの最高級材を印材 に加工したもの。稀少価値からも象牙よりも高価である が、現在流通されておらず入手は極めて困難。
■ローズクォーツ・紅水晶
ローズクォーツ・紅水晶(べにすいしょう)
【淡い桃色の天然水晶】
ローズクォーツは、水晶の一種で、ピンク~薄紅色をしている。紅水晶(べにすいしょう)とも呼ばれる。『アフロディーテの石』などの異名を持つ。ローズクォーツのピンク色は光に敏感で退色しやすい。また、内部に微細なルチル(金紅石)の針状結晶をインクルージョンとして持つ場合があり、スター効果(宝石に見られる光の 効果のひとつ)を示すものもある。産出地は、ブラジル ・アメリカ。また、現在流通される人工の水晶と違い、 天然石であるローズクォーツは、結晶のスジが印面にあ ると印鑑として彫刻するのが難しい。
タイガーズアイ・虎目石
タイガーズアイ・虎目石(とらめいし)
【金褐色に縞模様の虎目石】
タイガーズアイ(虎目石)とは、金褐色に黒いスジのような縞模様(シャトヤンシー効果)をもつ宝石である、産出国は、南アフリカ共和国、ナミビア、オーストラリアなどである。また、灰青色のものはホークスアイ(鷹目石・青虎目石)、熱処理によって赤色になったものはレッドタイガーズアイ(赤虎目石)と呼ばれる。石言葉は、『浄化』。
ラピスラズリ・瑠璃(るり)
ラピスラズリ・瑠璃(るり)
【群青の空の色を意味する宝石】
ラピスラズリ(瑠璃)は、青金石(ラズライト)を主成分としている。和名は瑠璃(るり)。深い青色~藍色の宝石で、しばしば黄鉄鉱の粒を含んで夜空の様な輝きをもつ。エジプト、シュメール、バビロニアなどの古代から、宝石として、また顔料ウルトラマリンの原料として珍重されてきた。日本では、トルコ石と共に12月の誕生石とされる。
本翡翠(ほんひすい)
本翡翠(ほんひすい)
【翡翠は金以上に珍重された宝石】
翡翠(ひすい)は、深緑の半透明な宝石のひとつ。東洋(中国)、中南米(インカ文明)では古くから人気の高い宝石であり、金以上に珍重された。古くは玉(ぎょく)と呼ばれた。また、翡翠には硬玉(ヒスイ輝石)と軟玉(ネフライト)とに分かれ、中国以外では軟玉を宝石に分類していない。しかし、中国の軟玉の高級品は和田玉とされ、その中でも羊脂玉は最高級品である。翡翠は本来カワセミの意味で、最高級品とされた白と緑の混じ
った軟玉の色合いがカワセミの羽根に似ていることから
名ずけられた。
翡翠にはよく似た鉱物や少し加工するだ
けで翡翠に見せかけることができる鉱物が多いく、日本で『~翡翠』と地名を入れて売っているものは翡翠とは違うものが多い。
翡翠に似る石
カルセドニー(玉髄、碧玉)・クリソプレーズ(オーストラリア翡翠)
・クォーザイド、アベンチュリン(インド翡翠)・サーペンティン(コリアンジェイド)・アイドクレーズ(アメリカンジェイド、カルフォルニアンジェイド)・ハイドログロシュラライト(アフリカ翡翠、トランスバールジェイド)・メタジェイド・染色クンツァイト・マウ.シット.シットなどがありどれも本翡翠ではありません。
孔雀石(くじゃくせき、マラカイト)
孔雀石(くじゃくせき、マラカイト)
【美しい緑色の柔らかい孔雀石】
孔雀石(くじゃくせき、マラカイト)は、美しい緑色の柔らかい単斜晶系の鉱物である。孔雀石の名は微結晶の集合体の縞模様が孔雀の羽の模様に似ていることに由来する。孔雀石は紀元前2000年ごろのエジプトですでに宝石として利用されていたが、モース硬3.5-4。硬度7以上を定義とする宝石には合致しない。また、粉末は、顔料(岩絵具)として使用される。『岩緑青』などと呼ばれ、青丹(あおに)は、その古名。石言葉は。危険な愛情。