■店主の三十年の歩み
はじめの一歩
何事においても、自らが一歩を踏み出した時から物事は始まります。
1981年(昭和56年)
神奈川県印章高等職業訓練校に入校する。
1982年(昭和57年)
訓練校2年在学中に、十代での初出品作品
【コメント】右も左もわからない当時、印を学ぶ中で、密刻という世界を知った時の感動こそが、現在の自分を支えています。文字を扱う職業でありながら、華やかな一面をもった世界があります。
■そして、現在(平成30年)
すべてにこだわって、連覇は出来すぎ?
2018年(平成30年)第二十二回全国印章技術大競技会への出品作品。
作品作りをはじめて36年目での出品になります。(角印作品3作目)木口の角印彫刻は印鑑技術のすべてが問われる部門です。
【コメント】3部門目の大臣賞受賞、もういつでも審査員になる資格はあるそうですが、もう少し生徒に寄り添って同じ目線でやりたいと思っていますので、2020年も頑張ります。
人生の中で一番時間をかけました。
席上彫刻ではできない利点を生かし、作品づくりをしました。文字デザインをするとき大切なことは、冷静な自分がいて簡単に妥協せず、もっと良くなる、どうしたらと飽きずに探求できるかが競うときには必要です。そして経験して得たことすべてが、お客様の印鑑作成に生かされると感じています。
■そして、現在
続けることで、手にした2度目のご褒美
2016年(平成28年)第二十一回全国印章技術大競技会への出品作品。
作品作りをはじめて34年目での出品になります。(密刻作品13作目)ゴム印彫刻も印章彫刻と併せて印鑑専門店の主要な技術です。ゴム印としての耐久性、偽造防止と優れた面が特徴です。
【コメント】密刻の2部門の大臣賞受賞は、21回の歴史で初めてということです。ゴム印彫刻は、印章彫刻と違い、
荒彫り=仕上げの一発勝負の世界です。
修正なしで彫り上げることになります。今回の作品作りは、彫刻作業だけでも目の疲労との闘いを45日間。毎晩の晩酌をしなくなるきっかけになりました。
■現在までの歩み
1981年(昭和56年)
訓練校入校前に、静岡県島田市の太田印房店主に道具作りを習う。当時作って頂いた篆刻台(印床)は、今でも現役で使用しています。
1981年(昭和56年)
神奈川県印章高等職業訓練校に入校する。1年生で出場した技能コンクールにて準優勝する。
1983年(昭和58年)
神奈川県印章高等職業訓練校修了。その後同研究科に在籍。
1984年(昭和59年)
労働省認定2級印章彫刻技能士。
1985年(昭和60年)
労働省認定2級ゴム印彫刻技能士。
1988年(昭和63年)
労働省認定1級印章彫刻技能士。
1989年(平成元年)
印章彫刻科職業訓練指導員。
1993年(平成5年)
1級技能士全国技能競技大会3位。
1994年(平成6年)
広畑筑州氏に師事し書道を学び始める。
1995年(平成7年)
神奈川県印章高等職業訓練校指導員に委嘱される。
2009年(平成21年)
神奈川県技能検定委員に委嘱される。
2010年(平成22年)
第18回全国印章技術大競技会にて特別賞として厚生労働大臣賞。
2014年(平成26年)
全技連マイスター認定・厚生労働省ものづくりマイスター認定。
2016年(平成28年)
第21回全国印章技術大競技会にて2度目の特別賞として経済産業大臣賞。
2017年(平成29年)
印判師として平成29年度神奈川県優秀技能者表彰。
2018年(平成30年)
第22回全国印章技術大競技会にて3度目の特別賞として経済産業大臣賞。
2019年(令和元年)
第81回謙慎書道会展にて、初出品、篆刻の部にて秀逸入賞。
■その他競技会作品
2014年(平成26年)
第二十回全国印章技術大競技会への出品作品。初めてのゴム印の密刻。
【コメント】研究科の生徒へゴムの密刻作品の出品を薦めて、模範を示すことになり出品。 技術へのチャレンジは、本人のやる気が全てだが、目はなかなかゆうことを聞かない。
2012年(平成24年)
第十九回全国印章技術大競技会への出品作品。
【コメント】角印の出品も生徒への指導を行うために彫りました。技術というものは、一度身に付けると長く評論し続けることはできますが、長く遠ざかっていると、彫る能力は落ちて行きます。職人は彫り続けてこそ、その価値があります。
■特別賞として厚生労働大臣賞を戴く
2010年(平成22年)
第十八回全国印章技術大競技会への出品作品。
【コメント】今回の密刻作品は、十九歳から彫り始めて11本目になります。少しは上手になったかなと感じていますが、きっと技術的には、通過点にすぎないと思います。図柄は密教菩薩。文字は「天空海闊」。
2008年(平成20年)
第十七回全国印章技術大競技会への出品作品。
【コメント】今大会は神奈川県での開催ということで、華を添える思いで出品。 裸眼で彫り上げた最後の作品です。今ではもう魔法のメガネは手放せません。図柄は、千手観音。文字は、「我逢人」。
2001年(平成13年)
第四十九回大阪府印章技術展覧への出品作品。
【コメント】平成13年大阪府印章技術展覧会への三十代最後の作品。
1998年(平成10年)
第四十六回大阪府印章技術展覧会への出品作品
【コメント】 三十六歳のときの作品。絵の細かさを追求していた頃で、1㍉の幅に6~7本の線が彫ってある。
1995年(平成7年)
第四十六回大阪府印章技術展覧会への出品作品
【コメント】平成7年大阪府印章技術展覧会への出品作品で、 初めて金賞を戴いた作品。何も期待していない時に金賞になった記憶がある。