はん助奮闘記

こだわりの発掘

実印・値段・適正などの.comを見ての感想

2017年5月9日 から はん助 | 0件のコメント

最近は、「価格.com」など、買い物する前に参考すると便利なサイトがありますが、

印鑑の世界でも例外ではなく、印鑑、評価、おすすめなどのキーワードで検索すると

見ることができます。

ほぼ全てのサイトが文字フォントで機械彫りという感じのため

同一条件下での比較で、「品揃え」「価格」「納期」を参考に選択することになり

一般の方が見ても解かりやすい構成になっています。

 

はんこを彫るための基本的技術を修得しなくても、今の時代

文字はフォントがあり、彫刻は機械がやってくれる

後は、販売促進にお金を掛ければ手軽に商売が成り立ってしまう…

ふと、金沢の傘職人のことを思い出します。

昔は、手作りで百件以上あった傘づくりのお店が、

手軽なビニール傘などの出現で、商売が成り立たなくなり

現在は高齢の傘職人がひとりになってしまった現状…

 

もの作りの大切さを謳いつつも、国の省庁の大臣の印鑑は

威厳のない安物、確か中国で彫らせた機械彫りのはんこです。

物品購入の規格のなかに大臣の印にふさわしい仕様(技能士による彫刻など)とあれば

もう少しいいはんこになったに違いありません

よっぽど神奈川県知事の印の方が立派です。

 

なんだか話がそれた感じですが、

いいはんこと言っても解かりにくいものですし

多くの方は、いいハンコを買うために

検索して選ばれているんだろうと思います。

 

話はかわりますが、

半世紀前、印鑑はすべて手彫りでした。百円ショップで売っている

既成印鑑と呼ばれる物でさえ手彫りで出来ていた時代がありました。

技術の進歩によって道具が作られて仕事の手助けになりましたが、

資格制度を持たないハンコの業界は、

印章は個人の権利義務の証左となり、憲法で保障される人間の尊厳の証ともなるものである。

その印章の重要性を認識し、社会及び個人の利害を充分に考慮し、

いやしくも営利追及におぼれて営業の処理を誤れば、社会的責任は計り知れないものがある。

(印章憲章から抜粋)

のように自主的に指針を作り努力目標としてモラルあるハンコ屋を目指してきたと思います。

 

では、手彫り印鑑・完全手彫り印鑑・手仕上げ印鑑の場合は、検索しても

あまりよく解からない感じがします。

値段設定は、明らかに高くなっています。

一言でいうなら、どうにでもごまかしのきく領域です。

手仕上げ印鑑は、特に感じます。

私は、違いが判りますが、一般の人にはそのサイトに嘘があるのか解かりにくいのではと思います。

これは、私が文字を選びアレンジを加えバランスを整え道具も使い

6時間以上かけて彫り上げた「徳川家康」の流麗篆。(競技会では小篆風印篆といっています)

【競技会の出品であれば数ヶ月の制作日数をかけますが…】

祝日を使って彫ったものです。

※川のバランスが……と家内に指摘されましたが、(長年私の仕事をみているせいか…)

 

何を感じるかは、見る人それぞれですが、

彫り手の考えは「プロの誰にも負けない印鑑を彫ること

そのことが私のプライドであり、目標でもあります。

数分で彫り上げるハンコではありません。

 

結局、私にしてみれば、手彫りであってもへたはへた。

手仕上げであってもいいものはいい。

彫り上げた結果が全てです。

 

私の教え子の中にも、優秀以上の若い技術者が出てきていますので、

先が楽しみでもあり、もっと頑張らなければと思っています。

 

少し脱線してしまいましたが、

できれば、手彫り印鑑・手仕上げ・完全手彫りだけで判断せず、

いい印鑑により多く接することで目が肥えて

自分にとっていいハンコを手にすることになると信じています。